1995年に発生した阪神淡路大震災では老朽化した木造住宅に被害が集中しました。
特に古い二階建て木造住宅の一階部分で寝ていた人が建物の倒壊により多く犠牲になったのです。
それまでは関西地方では大きな地震は起きないと言われていて、人々は地震の被害よりも台風の被害に備えていました。そのため強風でも飛んでいかない重い瓦を使った家が多く、地震の際にはそれがアダとなってしまい重い屋根に柱が耐えられずに家が倒壊してしまったのです。
そして古い木造住宅の多くにシロアリや腐朽があった事も災いしました。シロアリなどの被害を受けることで地震に耐える力が建設当時に計算されていたよりも弱くなっていたのです。
このような結果だけを見てみると木造住宅よりも鉄筋コンクリート(RC)造の家にしたほうが安全のような気がします。確かにRC造の建物のほうが地震被害が少なかったというのは事実です。
しかし地震大国であるにもかかわらず日本に木造住宅が多いのはなぜなのでしょうか?
第一に価格の面があります。
RC造で木造と同じ大きさの建物を作ろうと思ったら1.5~2倍の費用がかかってしまいます。もともと日本には建築材料になる木材が多く生えていたこともあり、現在でも木造住宅のほうがポピュラーなのです。
そして震災の際に木造住宅が倒壊した原因の多くは地震に対する備えが不十分だった事にあります。 現在では技術が進んだこともあり木造住宅でも地震に対して十分な耐久性を持たせることが可能な時代になりました。木材はもともと強い建築材料ですのできちんと耐震設計をしメンテナンスに気を付けてさえいれば鉄筋か木造かを気にしすぎる必要はないのです。