賢い耐震リフォームをするには費用の面を考えなければいけません。
お金に糸目をつけなければ完璧に近い耐震補強工事をすることは可能ですが、それで建て替えるぐらいのお金がかかってしまっては意味がありません。優先するべき項目をしっかり選択しましょう。
お勧めなのは、安い費用で高い耐震効果が期待できる工事を優先することです。
例えば地盤改良には多額の費用がかかりますが、地盤改良を優先して壁量の少なさや基礎のひび割れを後回しにしたのでは全く意味がありません。
逆に外壁や基礎部分のひび割れの修復、接合部分の補強、耐力壁の追加、無筋基礎に鉄筋を入れる工事、筋かいの追加などは比較的安価にできて、効果が高い工事です。
耐震リフォームをする際はまずこれらの工事を優先させるようなプラン作りをしてください。
また、リフォームを成功させるには良心的な業者に依頼することが不可欠ですが、せっかく仕事のできる業者に巡り合えてもきちんとしたコミュニケーションがとれなくては意味がありません。そんな事態を回避するには何よりも時間をかけた話し合いが必要です。
リフォームが成功するかどうかは耐震診断とプランニングの時点で8割以上が決まってしまいます。
そこで時間と費用を惜しまず慎重に進められるかどうかが満足できるリフォームができるかどうかのカギとなります。
それでは耐震リフォームはどのように進めていくのかを具体的に見ていきましょう。
まずは地盤が弱い土地の場合、その改善が必要です。
最も安価なのは地盤沈下を起こしてしまった分だけ建物を持ち上げる方法ですが、年月を経ていくにつれてまた再び建物が沈下してしまう可能性があります。やはりより安心なのは支持基盤まで杭を打ったり地盤自体を改良する工事でしょう。しかし地盤の工事はとてもに高額になりがちです。見積もりをきちんと出してもらって場合によっては建て替えるかどうか家族でじっくりと話し合いましょう。
次に基礎の補強です。
基礎にひび割れが生じている場合は樹脂を流し込んでこれ以上のひび割れを防ぎます。また鉄筋の入れられていない基礎に鉄筋を入れ込む工事も効果的です。
そして壁の工事も必要になります。
まずは筋違を入れて補強したり既存の壁に合板などを追加して壁自体を頑丈にする方法や、多すぎる窓や出入口などを一部撤去してそこを壁にし、壁の量を増やす方法です。特に家の角部分が窓になっている家はそこを壁に代えるだけで耐震性が大きく向上します。
また接合部の補強もしなければいけません。
特に大切な接合部分は基礎と柱です。この部分がきちんとつながっていないと建物の倒壊をまねく恐れがあります。
その他に重要な補強というと腐朽やシロアリ被害を受けた部分の交換、屋根の軽量化などがあげられます。