耐震補強工事を躊躇してしまう理由のひとつにやはり、工事費用があるのではないでしょうか。
耐震補強工事にどのくらいの費用がかかるかは、建築方法・地区年数・現在の建物の状態もそれぞれなので一概に言うことはできませんが、正確な耐震診断をすることによってその費用も明確にすることができます。
いくつかの例をご紹介しましょう。
まずは築28年の木造住宅。
メンテナンスが良かったおかげか老朽化が進んでおらず、まだ十分に使える建物だったため必要最低限の耐震補強工事だけをした例です。
もともと建物の間取りが正方形に近い長方形になっていたため重心のバランスが良く、間口の大きさや場所も良かったのですが、壁の量が少なかったために家全体の壁量を増やす工事を行いました。総費用は70万円弱。
築年数が古くてもこのように当初の設計が良かったために最低限の補強をするだけで大丈夫な建物もあります。
次に築20年の木造住宅の例です。
2000年6月の耐震基準にまで届いていない部分を補強するために壁量を増やし、木材の接合部分に新しい金具を使用する工事を行いました。この全工事で140万円です。
この他にも壁量のバランスを調節した例で150万円、風呂や洗面所といった水回りの修復と湿気の改善で250万円、基礎の補強をした例で400万円弱とさまざまです。
大切な事は正確な耐震診断をプロに依頼し、きちんとした工事見積もりを出してもらうことでしょう。