1995年に起きた阪神淡路大震災において、1981年以前に建築された旧耐震基準の建物では、約30%が大破以上の壊滅的な被害が生じましたが、新耐震基準によって建築された建物の被害は数%という被害の差が生じました。
この結果を受けて、国は「建築物の耐震改修の促進に関する法律」を作成し、旧耐震基準の建築物の耐震強化を進めています。
しかし、公共建築物は、耐震診断や補強工事が順調に進行していますが、民間の建築物は費用の問題もあってなかなか進展せず、耐震診断すらあまり実施されておらず大きな問題となっています。
一部の都道府県においては、特定の場所によっては耐震診断の義務化を実施を決めて耐震強化を図っています。
特に、東京都においては、直下型の大きな地震が起きることが予想されており、避難、人命救助、火災消火活動、緊急支援物資の搬送、及び復旧・復興を行うために 必要な道路網を確保するために新しい条例である「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」を2011年4月1日に施行しました。
これは、道路が道路沿いの建築物の崩壊によって寸断され、通行できなくなることを防ぐことが目的です。
道路沿いの旧耐震基準によって建築された建物の耐震化が義務付けられ耐震強化が促進されます。
この条例では耐震化状況の報告義務や耐震診断の実施義務が課せられていますが、改修工事は努力義務に留まっています。