鉄筋コンクリート(RC)造の建物は一般に地震に強いと言われていますが、阪神大震災の時には多くのRC造の建物が倒壊しました。その調査をしてみると、ほとんどが1981年の新耐震基準以前に建てられた建物だったと言います。
1981年以前の建物は耐震に対する考え方が現在とは大きく異なり、筋金の量などがかなり不足しています。
また気を付けたいのがピロティ建築の建物です。
ピロティとは1階部分が駐車場など柱だけのスペースになっていて、上階と比べて壁が極端に少ない構造の建物です。過去の震災の際には、1階の駐車場部分が完全につぶれてしまうなど大きな被害を受けました。1階部分が店舗になっている場合も広い空間を確保しなければいけませんのでピロティ建築の建物と同様の被害を受ける可能性があります。
そしてRC造りの建物で問題になるのが柱のせん断破壊です。
せん断とははさみなどを使って二つに切ることで、はさみで切ったように柱に切れ目が入って壊れることから「せん断破壊」と名付けられました。せん断破壊が起こる主な原因は連続してつながった壁が柱に集中して力を伝えてしまうことにあります。そのため現在ではスリットというものを使って、柱だけに力が集中しないように工夫されています。
お住まいの自宅がRC造のマンションである場合は、上記の対策がとれているかどうか管理者に確認するようにしてください。